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和紙の原料・楮(こうぞ)栽培奮闘記② 初めてでも大丈夫?楮の苗植え

和紙の原料となる楮の栽培に挑戦!まずは苗から♪

路地裏☆照会では、行灯を製作するにあたって、
和紙の原料となる楮(こうぞ)という植物を栽培するところからはじめることにしました。
大好きな楮の木を自分で育てる喜びを噛みしめながら楽しんでいます・・・が、
とにかくど素人からのスタートでしたから、

実際に育ててみるとまあとてつもなく勉強になるなと痛感しております。
今回はそんな楮栽培について、まずは苗を植えるところからのお話です。

【初めての楮(こうぞ)栽培 楮って種から?それとも苗から?】

楮(こうぞ)はクワ科コウゾ属の落葉樹。

私が初めて楮の栽培に挑戦したときの最初の疑問は
『え??まさか種からやるのか?私?』でした。
そもそもガーデニングとか畑仕事とかほぼやったことがない

そんな私が楮栽培、大丈夫なのか??

ということで種も苗も木の形も葉の形も全然知らない状態からのスタートでした。
でもこれも調べてみるとちゃんと苗として販売してあります。
ちょっとググってみても楮についての情報がすぐに出てきます。
本当に便利な世の中ですね。
おまけに比較的育てやすいとどこも書いてある。
だったら早速苗を植えてみよう!

私の住む福岡県の片田舎では山に自生している楮を見ることができます
全国のあちこちでもまだ見ることができるはずです。
楮は実は挿し木でもどんどん増やすことができる有難い植物。
山の楮を少し刈り取り、家で挿し木にして増やす方法もあるのですが、
当時の私はまだ全然楮について詳しくなくて
山に自生する楮を見極めることも怪しいものでした。
ど素人でしたから、ちゃんと品種を確認したかったこともあり
やはり種苗店から苗を購入するに至りました。
姫楮という品種のものを早速ネットで購入しました。
当時1株1000円前後。これは苗の大きさによるもので
背丈が30センチほどの苗なら1000円以内くらいでしたね。
1メートル近く育っている苗もありました。
大・中・小サイズで販売していたので小サイズのものを購入。

ちなみに…種から育てようと張り切っていましたが
販売のタイミングに出会えず断念!
実際 種での入手はとても難しいため
栽培は迷わず苗からスタート!
種についてはまた別の機会にお伝えしますね!

【初めての楮(こうぞ)栽培 届いた苗はまずどうするの?】


楮の苗は注文してからすぐに届きました。
早かったですね、確か2,3日で届いたと思います。
1株購入したときは、細身の段ボールで届きました。
5株購入したときは、大きな段ボールにまとめて5株入っていました。
段ボールの中で苗が倒れないようにきちんと配慮されていた梱包でした。
とはいえ、お店からうちへ届くまでの間、

狭い空間で枝葉がぶつかり合っている状態でしたから
届いた苗はまずはすぐに箱から出してあげましょう。
「長旅お疲れ様!ようこそわが家へ!」と
楮たちをねぎらってあげましょう♪

苗が届いた日がたまたま忙しい日だった場合、
植え替えが数日後でも問題ありません。
苗の状態が乾燥しかけていたり
翌日、翌々日には植え替えができそうもないときは
とりあえず苗ポットのままたっぷりとお水はあげておきましょう。
私の場合、苗が届いたのが夕方でしたから
すぐに箱から取り出した苗を庭に並べて
たっぷりと水をあげました。
植物全般そうですが、
日差しが強い時間帯の水やりは避けましょう。

苗ポット → 種から苗を育てるために使う塩ビ素材の柔らかい小さな植木鉢カップ。
黒い色のものが主流でホームセンターやガーデニングのお店に行くと
店頭にたくさん小さな苗や花が苗ポットに入っている状態で並んでいますよね。

パンジーとか苗ポットに入ってたくさん並んでいるのをよく見かけます。
苗ポットのまま購入したら

家に持って帰って植え替えるというわけですね。

【初めての楮(こうぞ)栽培 苗は地植え?それとも鉢植え?】

結論から述べると、どちらでも大丈夫で、地植えでも鉢植えでも
楮はすくすくと育ってくれます。

まず、『地植え』ですが、庭や畑のように地面の上に直接植えること。

鉢植えは、植木鉢やプランターに植えることですね。

 

あとはもちろん環境によりますが、私自身庭付きの家に住んでいるときは
土の庭でしたので地植えが可能でした。
その後の転居先の家は庭がコンクリート張りでしたので
そこでの暮らしは大きなプランターが主力となりました。

まず地植えの場合、当然ですが地面が土であること。
庭木の間に植えたり、畑があればそこを利用して植えたり。
楮は丈夫で育てやすいこともありとても扱いやすいと思います。
ただし!楮は枝も根も横に拡がる特徴があります。
庭の植える場所によっては庭木の生育に影響するかもしれません。
他の植物とはしっかりと距離の取れる場所が良いでしょう。
私は最初に植えたのは庭の一角です。
いわゆる地植えですね。
庭は広くありませんので、畑を借りて増やそうとも試してみたのですが、
畑の持ち主の方に迷惑をかけてはいけませんので

結局本格的な栽培に踏み切ることができませんでした。

(実はこの畑栽培、大失敗しているので次回にまとめますね!)

自分が持っている畑なら気にせずに植えたと思いますが。
それでも植えたあとのことを想像しておかないといけません。
さて届いたばかりの苗たちがゆっくり休んでいる間に、

スコップや鍬など道具や肥料、
花用の腐葉土も少し準備しました。

【初めての楮(こうぞ)栽培 さあ苗を植えてみよう!】

当時手に入れた楮の苗ポットたちをまず庭に並べて
たっぷりと水をあげました。
それから一両日中にはすべて庭に地植えしました。
他の庭木も少しはありますので程よい広さを見つけて
そこに植えることにしました。
植え方のコツも特に難しかったことはありませんが
まず植える場所の土を耕すところから始めました。
庭木がいくつか立派に育っている庭の土とはいえ
ガチガチになっているのが見てもわかりました。
そこで苗1株に対し、せめてマンホールの蓋くらいの大きさ分は
土を柔らかくそして深めに掘り起こしました。
掘った土の色が全体に黄色っぽく、そうこれは普通の住宅地の庭の土の色ですね。
畑の土は黒っぽいですよね、庭の土って黄土色のような感じで
少し心もとない感じがしましたので、
腐葉土を買ってきて掘り返したところにどんどん混ぜていきました。
フカフカの布団を作ってあげるイメージでまずは耕しました。
耕し終えたら、苗の大きさの穴を掘り、

ポットから外した苗をその穴にスポッと収めるように埋めました。
この時気をつけたのは、苗の高さと地面の高さを同じくらいにしたこと。
これは浅く植えすぎて苗の根っこが上から見えたり、

逆に深く埋めすぎて茎の部分まで隠れてしまったりすることを防ぐためです。
肥料はすぐには与えず少し落ち着かせてから撒くことにしました。

おわりに

初めての楮栽培、まずは種なのか苗なのかという素朴な疑問からはじまり、
実際に注文した苗が家に届くと「うわうわうわ~!本当に届いた!これどうしたらいいの?」と慌ててしまったことを思い出します。
地植えでも鉢植えでも楮がしっかりと育つということを知り、
どんな植物でもそうですが、

土の状態をよくしてあげてから苗を植える。
この時根っこの処理とかもあるのですが

そんな余裕はなく軽くほぐしてすぐに植えたのを覚えていますが、
たまたま問題なかったようで元気に育ってくれました。
植え替えの時の根っこの処置についてはまたの機会にじっくりとお伝えしますね!

ABOUT US
yuu
村上侑布 / yuu murakami ~ 福岡在住      美しい楮(こうぞ)の枝に魅せられた私は、ひょんなことから創作の世界へ身を置くことに。 それから試行錯誤の日々が始まり、手漉き和紙、木工、塗装、染色、電気など学んでみたものの『たった1台の灯りを作るのさえ、 ままならない・・!』 先が見えず焦燥感ばかり募る数年間を、悶々と過ごしてきました。 ようやく少しずつ形となってきて、 現在は、和紙の原料となる楮(こうぞ)の木を育てて収穫し、手漉き和紙と行灯を製作する傍ら、和紙ちぎり絵のワークショップを開催しています。 三大フェチである「路地裏・扉・階段」をモチーフに、店長・アレキサンダーとの工房暮らしを満喫中。