ども。ちぎりちぎり侑布です♪
よく「100均の和紙」って紹介され
ている記事を拝見しますが
実際は和紙ではなく、
和紙っぽい洋紙であることが多いです。
ちょっとモヤモヤするその辺を
和紙と洋紙に触れながら
検証してみたいと思います。
そして素朴な疑問、
「100均に行ったら和紙のような紙
が売っているけど・・
これをちぎり絵に使っていいのかな?」
について、
スッキリ解決したいと思います。
今回は、
①「和紙と洋紙」・・・簡単に和紙の定義を押さえておこう
②さっそく・・100均にある和紙を見てみよう
③ちぎり絵の種類と使う紙を調べよう
④ちぎり絵イベントの内容から考えてみよう
⑤結論 100均の和紙ってちぎり絵で使える?
おわりに 「和紙」表記についての補足
に分けてまとめてみました。
この記事を読み終える頃には
ちぎり絵や100均の和紙について
詳しくなっていますよ~
Contents
「和紙と洋紙」・・・簡単に和紙の定義を押さえておこう
実は和紙の定義といっても
その現実はとても曖昧なのです。
少し歴史から紐解いてみましょう。
「和紙」という言葉は
江戸末期から明治にかけて
洋紙の製法・文化が
海外から入ってきたことで、
「海外から入ってきた洋紙とその技術」
に対して
古来からある日本の紙を
「和紙」と呼んで区別しました。
全国各地で、
地形や風土・自然の利を生かし、
それぞれの土地に根付いた
原料の栽培や伝統的な製法があり
和紙の種類は実に多種多様なのです。
定義をひとつにまとめることが
難しいのはここにあります。
「和紙」という言葉には
日本古来から伝わる製法で
日本で採れた原料を使って
作られる紙
という意味が強くありますが
まさにそこが、
定義としての共通認識と
とらえてよいのではないでしょうか。
各産地では
たいへん個性的で美しい和紙が
今でも大切に漉かれています。
洋紙をわかりやすく言うなら
表面がツルツルとして硬く
印刷に適した紙であり、
(コピー用紙のような)
安価で大量生産が可能となった
製紙工場の発展により
爆発的に普及していきました。
和紙は植物繊維を活かした
風合いのある紙。
洋紙にも
見た目に繊維の模様を印刷すれば
和紙っぽい紙となります。
例えば和菓子の包装紙は
和紙の雰囲気がとても合いますが、
本物の和紙だと高いため
和紙っぽい紙を使っていることが
よくあります。
これが悪いという意味ではなく、
人気の和柄を洋紙のプリント柄に
取り入れているということです。
昔から紙漉きを生業としてきた
和紙産業に関わる人々は
和紙についての造脂が深く
本物の和紙かどうかという
目線で判断されることでしょう。
しかし私たち一般の消費者は
見た目に和紙っぽい紙であれば
それはもう「和紙」と認識
してしまいますが、
厳密に言うと
あくまでも和紙っぽい洋紙なのです。
さあ和紙と洋紙について
少し知ったところで
では100均に売っている和紙とは
一体どんな紙でしょうか・・
見ていってみましょう。
和紙と洋紙については
↓↓↓こちらでも深堀しています♪
②さっそく・・100均にある和紙を見てみよう
今や世の中には、
100均のお店が当たり前に存在し、
100円で買える商品も
大変クオリティの高い物が増えてきました。
え・・?これも100円?みたいな。
そう、もう100円ショップのない生活は
考えらえないほど
私たちはコスパの面で頼り切っていますよね。
紙のコーナーに行っても
色々な加工を施された紙が並んでいます。
早速和紙っぽい紙を見ていきましょう。
商品名「和紙ちよがみ」 パステル小紋柄と水彩グラデーション
秀逸!!
結論から言っておりますが、
この商品、かなり秀逸です!!
パステル小紋柄
100円ショップの折り紙コーナーに
あったもの。
これは見た目のグラデーション、
ぼかしの感じが
とても和紙っぽいですね。
色味もとても素敵で
和の模様代表の小紋柄を使った
和紙ちよがみ、
実際に指でちぎってみます。
断面はこんな感じで
少し毛羽立ちがあります。
裏面は白くてツルツルの手触り
普通の折り紙の裏面と同じ。
で、表の小紋柄の面は
ザラザラと和紙の触感なのです。
しかもパステル調なんですよ、
とっても可愛いです!
和紙と洋紙の合作みたいな感じ。
これ本当に良くできてる~
そして裏面には
「MADE IN JAPAN」の表記が・・
水彩グラデーション
これは見た目のグラデーション、
ぼかしの感じが
とても和紙っぽいですね。
何より本当に美しいです♪
お色味もとても素敵で
欲しくなる「和紙ちよがみ」です。
こちらも実際に指でちぎってみます。
断面図はこんな感じ。
表面は少し毛羽が出ますが
裏面は洋紙なので
折り紙やコピー用紙を破ったような
感じです。
折り紙仕様なので当然と言えば当然
よく工夫されていますよね。
しかしこの和紙っぽいグラデーション
これが100円で買えるなら
コスパ最強かもしれません・・
裏面を見て見ると
「MADE IN JAPAN」の表記が・・
日本産であること、そして
表面の紙の性質、
和紙の風合いを確認したところで
商品名に「和紙」と表記しているで
あろう・・と納得はできます。
(原材料の詳細はおいといて)
商品名「創作すき紙」
この「創作すき紙」の「すき」
という語源は
手漉きや機械漉きで行う作業の
「漉く」というところから
きていますね。
見た目にはこれが一番
和紙っぽくないですか??
模様もいくつかあり
どれもとても素敵で
高級感ある紙です。
ちょっと
もったいない気もしますが
ちぎってみるとこんな感じ
見た目にも質感も和紙そのもの。
でも「和紙」の表記はありません。
そして裏面には
「MADE IN THAILAND」の表記が・・
タイ国産ですね。
”折紙”と明記してあります。
このすき紙、
ちぎり絵にはとても使いやすいと
思います。
商品名「マーブルちよがみ」
こちらも100円ショップの折り紙コーナーに
あったもの。
これも和紙の繊維を活かしたデザイン
といい、透け感といい、
手漉き和紙の風合いが
とてもよく表現されていますね。
これはもう和紙といってよいのでは?
こちらも指でちぎってみて
断面を確認してみましょう。
和紙と変わりありません、
見た目で区別はできないのでは
ないでしょうか。
ここで裏面を確認すると
「MADE IN THAILAND」の表記が・・
こちらもタイの国ですね。
国産ではありませんので
「和紙」表記を避けていることが
考えられます。
(これについては最後に補足します)
障子紙
リビング・インテリアコーナーに
あった障子紙
和紙っぽい紙を探して
見当たらないときは
障子紙でも代用できます。
白は色々と使い道があります。
光の当たる部分に貼ったり、
雪の表現にも使ったり・・。
また自分で染めてみるのも
面白いですよ。
写真の「美濃判」は
障子紙のサイズのこと。
美濃和紙ではありませんので
ご注意!!
ちなみに・・
今回は小さいサイズを購入
↓ちぎってみました。
肌ざわり、透け感、
機械漉き和紙と同じです。
昔は障子紙=和紙、
障子の桟に手漉き和紙を貼るのですが
今でも和紙の産地では
職人さんの漉く和紙を障子に貼って
います。
手漉き和紙はとても良い味わいが
ありますので、
自宅の障子紙を貼る時には
是非使ってみて下さいね♪
書道半紙
文具コーナーにある書道半紙
厚さも色々ありますね。
これは普通の厚さのもので
断面はこんな感じ
毛羽立ちはほとんどありませんね
↓厚めの半紙も見てみましょう
こちらは和紙の断面に近いですよね。
半紙も100円で4、50枚入りですので
非情にコスパ良いです。
上手く使ってみて下さい♪
③ちぎり絵の種類と使う紙を調べよう
ちぎり絵は自由度が高く
どんな素材でも楽しむことができます
折り紙ちぎり絵
折り紙を使ったちぎり絵です
折り紙はカラフルですし
色の種類も多いです。
また安価で大量に手に入りやすいく
100均で購入できますから
コスパ最強の遊びのひとつですね。
画用紙を台紙に、
折り紙でちぎり絵を制作したり、
またクッキーや牛乳パックなどの
空き箱を利用した
立体ちぎり絵も楽しいですよ♪
是非挑戦してみて下さい。
新聞ちぎり絵
古新聞や古雑誌を使いますから
材料費はほぼ無料です。
フリーペーパーや要らなくなった
雑誌なども十分使えます。
最近は新聞のカラー面も増えてきたの
で、まずは色の部分をちぎって
色ごとに分けておきましょう。
このとき、印刷面の活字(文字)は
全く気にせずに使ってください。
この活字がとても良いアクセントに
なるから不思議です。
アート感も増し、新聞ちぎり絵の魅力
がアップすること間違いなしです。
和紙ちぎり絵
色染めした和紙を使って作るちぎり絵。
和紙そのものが大変美しく
制作しながら癒されていくのが魅力の
ひとつです。
実は私もちぎり絵を始めるまでは
こんなに美しい和紙の種類があるとは
全く知りませんでした。
時代と共に和紙工房は激減していますが
まだまだ全国各地で
美しい和紙を見ることができます。
是非和紙ちぎり絵を楽しみながら
全国和紙散策も楽しんでほしいです。
④ちぎり絵イベントの内容から考えてみよう
ちぎり絵イベントの対象年齢や
目的を考えてみましょう
使うべき紙の種類ややり方が
見えてきます。
また気を付けるところも
ある程度想像できますね。
楽しいイベントにするためにも
事前に内容を検証してみましょう。
子ども向けちぎり絵イベント
(未就学児~小学生)
小さな子どもたち向けのイベント
小さな子どもたちにとっては
紙をちぎる行為自体が
とても楽しいものです。
普段なら破ると怒られるのに
ちぎり絵イベントなら
「上手ね」って褒められるから
面白いですよね。
気分もスカッとしそうです。
子どもたち向けのイベントなら
多いのは折り紙ちぎり絵です。
子どもは色使いもカラフルで
折り紙大好きですね。
100円ショップの和紙風の紙で
十分楽しめると思います。
また「お花紙」も
とても良い素材のひとつ。
写真のお花紙はパステルカラーのもの。
ツルツルした表面で光沢があり、
薄くて透け感が美しいですね。
是非試してみて下さいね♪
和紙をメインにするちぎり絵なら
紙ができるまでの大変さも
同時に学ぶことができ
情操教育にピッタリです。
その際は折り紙よりも
若干コストがかかりますが
本物の和紙を使ったイベントを
行うととても良いですね。
高齢者向け施設などのイベント
高齢者にとって指先を使う作業は
とても良いと言われています。
集中して、指先や頭を使うこと、
これが大変良い刺激になることは
いうまでもありません。
おすすめは新聞ちぎり絵。
事前に新聞を色分けして
ちぎっておく作業などありますので
指の運動にもってこいです。
また新聞ちぎり絵の世界では
高齢者の皆さんが大活躍。
感性を生かした素晴らしい作品を
見ることができますね。
もちろん本物の和紙を使った美しい
和紙ちぎり絵もおススメです。
全国ちぎり絵公募展への出品
全国各地で毎年開催されている
「ちぎり絵」の公募展。
和紙の産地でよく開催されています。
募集要項をチェックしてみると
条件のひとつに素材があります。
和紙を使っていることが条件と
なっていることがほとんどです。
ここでいう和紙は、
和紙風の洋紙ではなく
本格的な和紙のことです。
手漉き和紙や機械漉き和紙の
ことです。
折り紙のような洋紙は
和紙ではありませんので
公募展に出展するときには
使う紙には気を付けましょう。
本格的な和紙は、
全国の和紙産地に行けば
買うことができます。
じっくり見て買うのがおススメですが
遠方過ぎて難しい時は
インターネットでも
たくさん販売されています。
結論 100均の和紙ってちぎり絵で使える?
「100均の和紙はちぎり絵で使える?」
十分使えます!・・が
コスパ最強ですので
イベント・行事にはもってこいですが
制約のある公募展などは注意!
公募展など公式な展覧会などに
出展する場合・・
まずは主催側が出している募集要項を
必ず確認してください。
例えば某和紙ちぎり絵展においては
「アート部門」などあり
素材も自由だったりします。
そういう時は問題ないでしょう。
作品が仕上がった後にわかるのも
ショックですから
事前にしっかりと調べておきましょう。
ちなみに私なら・・
公募展に出す時は、和紙の産地・原料
などがはっきりとわかる和紙を使うよ
うにしています。
つまり和紙工房で購入した和紙を
使います。
おわりに 「和紙」表記についての補足
日本の伝統である和紙産業
「和紙」の表記については
国産であること、伝統ある製法で
日本古来の原材料を使っていること
これが大前提ではないでしょうか。
国の重要文化財指定を受けたのち
ユネスコ無形文化遺産に登録された
三つの有名な和紙産業があります
美濃和紙・細川紙・石州半紙
の三つですね。
国内産の決められた原料を使い、伝統
ある製法で、指定を受けた道具を使い
紙を漉いていくのです
こうなると重みが違いすぎます。
100円で「和紙」が買えるとなると
「和紙」の品格を損ねることは言うま
でもなく(品質の問題から)
たかが表記くらいで・・・と言えない
深刻な問題でもあります
私自身の認識としては
国内産であり、古くから伝わる製法・
原料を使っているものを「和紙」と
表記すべきだと思うところは以前から
変わりません。
しかし、100均の和紙風洋紙を通して
和紙を身近に感じてもらえることは
大変良いことだとは思います。
残念ながら、本物の和紙が身近では
なくなったということなんですね。
ここには様々な見解があるかとは
思います。
和紙と和紙風洋紙という見方をすると
これまで和紙と思っていた紙が
実は洋紙だったことに
気づいてしまったかもしれません。
遊びや行事など、目的によっては
100均の和紙風洋紙で十分ちぎり絵
を楽しむことができます。
しかし
公募展への出展などでは使わない方
がいいこともありますので
ご自身の目的に合わせて
上手く使い分けてくださいね♪
長くなりましたが
今回はこの辺で!
それではまた!