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自分でできる【和紙の作り方】②簡単に写真で解説 楮の収穫と加工

はじめに

我が家に来たときはこんなに可愛かった楮(こうぞ)の苗たち。

こんにちは!侑布です♪

自分でできる【和紙の作り方】

前回は楮の苗を植えて
育てていく過程を見てきました。

【和紙の作り方】と一言で言っても、
原料である楮の木を育てるところから
取り組んでいきますので

これはかなり本格的!

そして時間も
めちゃめちゃかかりますよ~

そこは焦らず騒がず。

育てる楽しみもセットで、
1年スパンでのんびりといきましょう♪

今回はいよいよ収穫です!

収穫した楮の木の皮の加工
見ていきたいと思います。

注:一個人宅の小さな工房でのお話です。
使う道具や設備も、一人でできるレベルのもの。
それぞれの工場や工房でやる作業内容が
大きく違うこともございます。
どうぞ、その点を念頭に、ご参考までにどうぞ♪

私にできる?【和紙の作り方】原料となる楮(こうぞ)の収穫と加工

伸び放題でしょ?これでも半分は枝の葉を落として芽かきをしています。

手漉き和紙が盛んな時代は
里山のみんなで楮を刈りとり、
大釜で蒸して皮を剥ぐ。

といった光景が
冬の風物詩でもありました。

本場の紙すきをされている地域での
楮の収穫の作業は

チームで連携も取れていて
とても効率よく刈られ

まっすぐに伸びて
奇麗に揃った楮の枝が見事です。

私の場合は一人で小さく栽培し、
枝も自由に伸び伸びさせている点、

これは全く違うやり方です。

あくまでも
紙ができるまでの流れを
お伝えできればと考えていますので、

そこは何卒
ご了承くださいませ。

和紙の作り方① 楮(こうぞ)の枝を刈り取るよ~簡単に解説

夏はモリモリ繁る葉も冬になるとこの通り!枝の一部は添え木をあててまっすぐに育てます。

楮は落葉樹ですので
冬になるとすべての葉が落ちます。

「うわー!枯れちゃった??」

一見ただの枯れ木にしか
見えないかもしれませんが、

大丈夫ですよ、元気です♪^^

毎年12月から1月にかけての
お天気の良い日に

根本から伐採していきます。

根本から全部刈ってしまいますが、株は残っているのでまた春になると芽が出てきますよ~

春になるとまた新芽が出て
冬までに2,3メートル伸び

毎年収穫することができる
大変有難い楮なのです。

まっすぐに伸びた枝は
同じ長さにそろえて切っていきます。

うちの釜の大きさを考えると
枝の長さは70㎝まで。

だいたいそのくらいの長さに
どんどん切っていきます。

その際、
私は切れの良いのこぎりを
使っていますが

楮は繊維質たっぷりの植物ですので
少しでも鋸の刃先が引っかかると

枝切りの途中で
皮がめくれてしまうことも・・

傷つきやすいのでご注意!

手際よくスパンと切り落とすことが
目標ではありますが、

結局もたもたしてしまう私です。

年に1回しか伐採しないから
腕も上がらない・・わ、言い訳)

さて・・当工房では
楮の枝で行燈を製作するため

枝の形を考えながら切っていきます。

一部芽かき作業をしないのは
二股の枝が欲しいため。

写真はうちの楮たちですので
枝がのびのびと
色んな方向に伸びています。

これは非常に扱いにくい・・(涙)

和紙の作り方② 楮(こうぞ)の枝を大釜で蒸すよ~簡単に解説

父特性の釜です。大釜といっても、本場に比べると少量しか蒸すことができません。家庭用ですね~

収穫した楮の枝の長さを揃えたら
大釜に入れて蒸します。

うちの大釜の底に水を入れて
底には小さな枝を入れて
メインの枝を上から乗せていきます。

鉄板で蓋をして
2時間前後蒸し上げます。

和紙作りが盛んな、
たくさん収穫する楮畑のある産地では

楮の枝を同じ長さでまとめて
それを大きな樽のような形をした
特性の蒸し器で蒸し上げます。

その時の匂いが独特で
そう!ふかしたサツマイモと
同じ香りがしてきます。

昔から楮栽培を行っている集落では
冬になると見られる光景
で、

実際小腹がすくので
お芋を一緒に蒸かしたりとか
微笑ましいエピソードもあったりと

家族や周囲人のたち
みんなで仲良く助け合って
昔から一緒に行ってきた作業です。

古き良き時代の姿が浮かんできますね。

ま、私はいつも一人黙々と
やっておりまーす。

和紙の作り方③ 楮(こうぞ)の皮を剥いでいくよ~簡単に解説

枝が美しいのはもとより、剥いだ皮の裏面も美しいのだ! するっと剥けるので気持ちい~♪

蒸しあがった楮の枝の皮を
一気に枝から引き剥す作業です。

枝が熱いうちに
すぐに剥ぐ作業に取り掛かります。

枝の先端から
指先で木の皮をめくると
するっと剥けてきます。

蒸し方が足りないと
上手く剝けませんが、

しっかり蒸されていれば
手で簡単に

きれいに剥ぐことができます。

そしてこの皮の部分が
すべて紙に生まれ変わります!

かなり細い枝は工芸用に使います。皮が上手く剥げなくて、もう一度蒸したこともあったなあ~

皮を剥いだあとの楮の枝は
黄色味を帯びてツルンとして

とても肌触りが気持ちよく、
とても美し~いのです!

初めてこの作業をしたときに
そんな楮(こうぞ)の枝に

一目ぼれをしてしまいました♪

こうして冷めないうちに
どんどん皮を剥いでいきます。

真っすぐな枝ほど
皮がするっと剥きやすい
ことが

この時によ~くわかります・・・。

和紙の作り方④ 楮(こうぞ)の枝も皮も干して乾燥~簡単に解説

あ・・猫よけわかる?(^^) 油断すると野良猫たちのお昼寝場になってしまうのだ。

枝も皮もしっかりと乾燥させます。

剥いだ皮は
綺麗に並べて紐で束ねて
干していきます。

すぐに使わない場合は
乾燥した状態で保管しておきます。

あとは湿気に気を付けていれば
数年はもちますよ~。

楮の収穫時期ですが
この干す作業を考えたときに

お天気が続く日を選ぶこと
は必須ですね。

私は以前、
朝晴れていたので急いで収穫して
蒸したのですが
次の日から雨が続いたのです。

せっかく干した楮の皮も
湿気でなかなか乾かない・・・!
ということになってしまいます。

湿気はカビの元ですので
せめてお天気は
チェックしておきたいですね。

おわりに

面白い形の枝を収穫することができました!皮を剥ぐのは大変だけど・・(^▽^)

いかがでしたか?

今回は主に楮の収穫から
皮の加工・乾燥までを

写真付きで見ていきました。

皮を剥いだ後の楮の枝が
とても美しい
ことが伝わると
とても嬉しいです!

そして紙漉きは・・

まだ当分先ですよ~^^

そうなんです、
紙を漉くのは本当に最後なんですね~

それまでの工程が
実はたくさんあるのです。

でも・・・

少しずつ和紙作りの流れを知ると
自宅でもできそうな気がしませんか?

答えはYES!

自分で工夫して色んなやり方で
和紙を作ることが可能なのです。

次回はいよいよ収穫した
楮の皮を使って、

和紙の原料を作っていきます。

ABOUT US
yuu
村上侑布 / yuu murakami ~ 福岡在住      美しい楮(こうぞ)の枝に魅せられた私は、ひょんなことから創作の世界へ身を置くことに。 それから試行錯誤の日々が始まり、手漉き和紙、木工、塗装、染色、電気など学んでみたものの『たった1台の灯りを作るのさえ、 ままならない・・!』 先が見えず焦燥感ばかり募る数年間を、悶々と過ごしてきました。 ようやく少しずつ形となってきて、 現在は、和紙の原料となる楮(こうぞ)の木を育てて収穫し、手漉き和紙と行灯を製作する傍ら、和紙ちぎり絵のワークショップを開催しています。 三大フェチである「路地裏・扉・階段」をモチーフに、店長・アレキサンダーとの工房暮らしを満喫中。