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はじめに
こんにちは!侑布です♪
自分でできる【和紙の作り方】
前回は楮の苗を植えて
育てていく過程を見てきました。
【和紙の作り方】と一言で言っても、
原料である楮の木を育てるところから
取り組んでいきますので
これはかなり本格的!
そして時間も
めちゃめちゃかかりますよ~
そこは焦らず騒がず。
育てる楽しみもセットで、
1年スパンでのんびりといきましょう♪
今回はいよいよ収穫です!
収穫した楮の木の皮の加工を
見ていきたいと思います。
注:一個人宅の小さな工房でのお話です。
使う道具や設備も、一人でできるレベルのもの。
それぞれの工場や工房でやる作業内容が
大きく違うこともございます。
どうぞ、その点を念頭に、ご参考までにどうぞ♪
私にできる?【和紙の作り方】原料となる楮(こうぞ)の収穫と加工
手漉き和紙が盛んな時代は
里山のみんなで楮を刈りとり、
大釜で蒸して皮を剥ぐ。
といった光景が
冬の風物詩でもありました。
本場の紙すきをされている地域での
楮の収穫の作業は
チームで連携も取れていて
とても効率よく刈られ
まっすぐに伸びて
奇麗に揃った楮の枝が見事です。
私の場合は一人で小さく栽培し、
枝も自由に伸び伸びさせている点、
これは全く違うやり方です。
あくまでも
紙ができるまでの流れを
お伝えできればと考えていますので、
そこは何卒
ご了承くださいませ。
和紙の作り方① 楮(こうぞ)の枝を刈り取るよ~簡単に解説
楮は落葉樹ですので
冬になるとすべての葉が落ちます。
「うわー!枯れちゃった??」
一見ただの枯れ木にしか
見えないかもしれませんが、
大丈夫ですよ、元気です♪^^
毎年12月から1月にかけての
お天気の良い日に
根本から伐採していきます。
春になるとまた新芽が出て
冬までに2,3メートル伸び
毎年収穫することができる
大変有難い楮なのです。
まっすぐに伸びた枝は
同じ長さにそろえて切っていきます。
うちの釜の大きさを考えると
枝の長さは70㎝まで。
だいたいそのくらいの長さに
どんどん切っていきます。
その際、
私は切れの良いのこぎりを
使っていますが
楮は繊維質たっぷりの植物ですので
少しでも鋸の刃先が引っかかると
枝切りの途中で
皮がめくれてしまうことも・・
傷つきやすいのでご注意!
手際よくスパンと切り落とすことが
目標ではありますが、
結局もたもたしてしまう私です。
年に1回しか伐採しないから
腕も上がらない・・(わ、言い訳)
さて・・当工房では
楮の枝で行燈を製作するため
枝の形を考えながら切っていきます。
一部芽かき作業をしないのは
二股の枝が欲しいため。
写真はうちの楮たちですので
枝がのびのびと
色んな方向に伸びています。
これは非常に扱いにくい・・(涙)
和紙の作り方② 楮(こうぞ)の枝を大釜で蒸すよ~簡単に解説
収穫した楮の枝の長さを揃えたら
大釜に入れて蒸します。
うちの大釜の底に水を入れて
底には小さな枝を入れて
メインの枝を上から乗せていきます。
鉄板で蓋をして
2時間前後蒸し上げます。
和紙作りが盛んな、
たくさん収穫する楮畑のある産地では
楮の枝を同じ長さでまとめて
それを大きな樽のような形をした
特性の蒸し器で蒸し上げます。
その時の匂いが独特で
そう!ふかしたサツマイモと
同じ香りがしてきます。
昔から楮栽培を行っている集落では
冬になると見られる光景で、
実際小腹がすくので
お芋を一緒に蒸かしたりとか
微笑ましいエピソードもあったりと
家族や周囲人のたち
みんなで仲良く助け合って
昔から一緒に行ってきた作業です。
古き良き時代の姿が浮かんできますね。
ま、私はいつも一人黙々と
やっておりまーす。
和紙の作り方③ 楮(こうぞ)の皮を剥いでいくよ~簡単に解説
蒸しあがった楮の枝の皮を
一気に枝から引き剥す作業です。
枝が熱いうちに
すぐに剥ぐ作業に取り掛かります。
枝の先端から
指先で木の皮をめくると
するっと剥けてきます。
蒸し方が足りないと
上手く剝けませんが、
しっかり蒸されていれば
手で簡単に
きれいに剥ぐことができます。
そしてこの皮の部分が
すべて紙に生まれ変わります!
皮を剥いだあとの楮の枝は
黄色味を帯びてツルンとして
とても肌触りが気持ちよく、
とても美し~いのです!
初めてこの作業をしたときに
そんな楮(こうぞ)の枝に
一目ぼれをしてしまいました♪
こうして冷めないうちに
どんどん皮を剥いでいきます。
真っすぐな枝ほど
皮がするっと剥きやすいことが
この時によ~くわかります・・・。
和紙の作り方④ 楮(こうぞ)の枝も皮も干して乾燥~簡単に解説
枝も皮もしっかりと乾燥させます。
剥いだ皮は
綺麗に並べて紐で束ねて
干していきます。
すぐに使わない場合は
乾燥した状態で保管しておきます。
あとは湿気に気を付けていれば
数年はもちますよ~。
楮の収穫時期ですが
この干す作業を考えたときに
お天気が続く日を選ぶこと
は必須ですね。
私は以前、
朝晴れていたので急いで収穫して
蒸したのですが
次の日から雨が続いたのです。
せっかく干した楮の皮も
湿気でなかなか乾かない・・・!
ということになってしまいます。
湿気はカビの元ですので
せめてお天気は
チェックしておきたいですね。
おわりに
いかがでしたか?
今回は主に楮の収穫から
皮の加工・乾燥までを
写真付きで見ていきました。
皮を剥いだ後の楮の枝が
とても美しいことが伝わると
とても嬉しいです!
そして紙漉きは・・
まだ当分先ですよ~^^
そうなんです、
紙を漉くのは本当に最後なんですね~
それまでの工程が
実はたくさんあるのです。
でも・・・
少しずつ和紙作りの流れを知ると
自宅でもできそうな気がしませんか?
答えはYES!
自分で工夫して色んなやり方で
和紙を作ることが可能なのです。
次回はいよいよ収穫した
楮の皮を使って、
和紙の原料を作っていきます。