こんにちは。ちぎりちぎり侑布です♪
トロロアオイのプランター栽培に挑戦
ということで
種を撒くところから始めました。
芽が出て小さな苗となり
2つの苗をプランターに植えて観察。
1つは花を楽しむための苗で
「あおい」と命名
もう1つは根を育てるために
「とろろ」と命名
「あおい」は立派な花を咲かせました。
さて・・とろろは??
ここにきてようやく
『紙をすくための原料となる
「ねり」の採取のために
トロロアオイの根っこを育てている』
というミッションがあったことに気づきます。
いや、気づいていましたが
花の方が先に咲くので
どうしても後回しにしていました。
本当はとても待ち遠しかった
「とろろ」に
ようやくご対面です!
トロロアオイ栽培記 根っこの役目と「ねり」の凄さ【和紙の原料】
トロロアオイの根っこから
抽出される透明の粘液は
紙漉きには必須の天然素材で
「ねり」と呼ばれています。
音の響きが「のり」っぽいので
間違いやすいのですが
接着力はないため糊ではありません。
ねりの役目を一言でいうなら
繊維を浮遊させること。
水との相性が良い「ねり」は
漉き舟の中で絶妙に均等に
繊維を浮遊させるのです。
ここで少し工程を確認!
和紙の原料となる木の皮を加工し
細やかな繊維の状態になってから
漉き舟に水と一緒に入れます。
この時、水と繊維だけだと
すぐに上下に分離してしまいます。
繊維が全部底に沈んでしまう感じですね。
そこで漉き舟にネリを投入すると
水質に適度なトロミが生まれます。
このトロミが凄い。
不思議なんですが
決して糊のようなべたべたではないのです。
サラサラトロンとしたような・・
いや、トロトロタプンとしたような・・
とにかく!
何とも言えない優しいトロミなのです。
そんなトロミが加わることで
漉き舟の中の繊維たちは
宇宙遊泳のようにトロミの中を浮遊します。
漉き舟の画像を見ると
繊維が水の中にたくさん見えますよね
底に沈むのがゆっくりなので
その間に紙を漉くことができます。
スケタ(紙をすくう道具)の上に
水と一緒に繊維が乗るのですが
トロミのおかで
均一な繊維の拡がりとなり
スケタの隙間から水分が落ちていき
残ったスケタの上の繊維を乾燥させると
一枚の紙が出来上がるという・・。
ふわ~超自然現象。
自然を利用した手漉きという方法。
誰が思いついたんでしょうね~
まあでもこの感じが本当に
手触り含めて
絶妙!なんですよね
トロロアオイ栽培記 ついに収穫!根っこを掘り出す時期【和紙の原料】
トロロアオイは1年草です。
春に植えて秋の収穫です。
10月や11月が収穫の時期です。
我が家の場合は
紙漉きの時期と上手く合わせるため
11月の終わりから
12月の初めにかけての収穫。
もう冬になっていますね。
これも暖かい九州だからこそ
できるのかもしれません。
収獲したあとに
薬品を使って保存することもできますが
なるべくトロロアオイも楮も
自然の状態で使いたい
そこで楮の収穫の時期と
合わせて
紙漉きまで一気に行いたい。
という野望があります。
さて、これまで「とろろ」の方は
花が咲かない様に
4,5枚の葉だけを残して
あとは全部摘んでいきました。
茎も高さ3,40センチほどの高さです。
そう、根の方に栄養が行き
根がよく育つように
葉や茎を短めにしておきました。
やがて「あおい」の方は花が咲き
実がなって種となりました。
それでもまだしばらく
「とろろ」の方は待ってもらって
11月の終わりにようやく
収穫を行いました。
プランターですので
掘り起こすのは簡単とはいえ
お!?
引っ張っても抜けない。
根っこはいびつな形ですから
大根のように抜くわけには
いかないですね。
根っこに傷をつけない様に
優しく探っていくように
根っこに沿って掘っていきます。
小さな株でしたから
すぐに掘ることができました。
そうしてついに
「とろろ」とご対面!
直径は太いところで2センチ強。
なんというかちょっと
ワサビっぽい。
細い根がたくさんありますね
太い根をつぶしてネリの抽出を
行うというわけです。
紙に混ざるとあとが大変なので
たわしやスポンジを使って
優しく泥や汚れを落とします。
さいごに
さあようやく「とろろ」とご対面、
根っこの収穫を終えました。
これで紙を漉くのに必要な
天然素材「ねり」の元を
手にいれることができました。
この
「ねり」ですが
実は身近にあるオクラでも
代用することができます。
オクラもかなりのネバネバが
抽出されますから
ちゃんと紙を漉くことができます。
自然界のネバネバが
こんなところで活かされるなんて
驚きですね。
トロロアオイは生ものですから
ねりの抽出が終われば
腐らない内に使いきる。
そのために紙漉きの準備と
ねりの抽出作業を
同時進行でやっていくわけですが
もう料理と同じですね。(^^)
素材の鮮度を活かすのがとても大事!
次回は
根っこをつぶして
「ねり」を抽出していきます
それではまた♪