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ユネスコ世界文化遺産に登録! 3つの和紙の産地と特徴を簡単に

和紙を使った作品色々。 昔は日本家屋のあちこちに和紙が使われていて消費量もすごかった。日本家屋、激減だしね。

はじめに

ユネスコ世界文化遺産に
3種類の日本の手漉き和紙が
登録されました。

「石州半紙」
「細川氏」
「本美濃紙」

この3つはどれも
国の重要無形文化財に指定されており

その美しさと
手工業による伝統的な独自の製法が
世界で高く評価されました。

本記事では、
職人の手作業によって生み出される
丈夫で柔らかな和紙について、

各産地をご紹介しながら、
その特徴をそれぞれ
見ていきたいと思います。

ユネスコ世界文化遺産登録の和紙 「石州半紙」を簡単に

他にも見どころ多数!2007年に世界遺産に登録された石見銀山。レトロな街並みのここは島根県大田市大森エリア

石州半紙は島根県!

島根県の西部に位置する
浜田市三隅町が拠点。

元々三隈町は郡部に属していましたが
2017年の市町村合併により
浜田市三隈町になりました。

浜田市の人口が約57000人。
三隈町の人口が約1759人。(2022年)

浜田市の西側は日本海に面しており、
海・山の自然に恵まれています。

他にも浜田市の特徴など
見ていってみましょう♪

「石州半紙」の産地はどこ?産地の特徴を簡単に

石州半紙を訪ねたい!! 松江城や出雲大社有名ですよね、隠岐の島、昔行ったけど海の幸すごかった!

石州和紙の産地は現在
浜田市/江津市となっています。
(伝統工芸指定の認定基準)

さて浜田市は
丘陵地や産地がほとんどで平地は少なく
西の海岸線は、リアス式地形と
美しい砂丘海岸が続いています。

あ~!行ってみたい!

天然の良港と言われるように
港として発展したのも納得です。

古くから朝鮮との交易も盛んで
江戸時代には城下町が建設され、
半紙の輸出もされていたというから
驚きですね。

当時の藩にも
やり手がいたに違いありません。

その城下町が
現在の市街地だそうです。

河川も多く水資源も豊かで
紙づくりに恵まれた地形であることが
よくわかります。

「石州半紙」とはどんな和紙? 和紙の特徴を簡単に

石州半紙。あ~もう、写真の撮り方がへたくそでこの美しさが伝わり切れない・・!! 美しい~!!

島根県西部に位置する石見地方、
「石州」とは石見のことを指す言葉です。

石州和紙は石見地方で漉かれる
手漉き和紙のこと。

 
大変歴史のある和紙で
1300年もの間、
紙が漉かれていたと言われています。

その石州和紙の中でも
「石州半紙」という種類の和紙が

昭和44年に国の重要無形文化財に
登録されます。

その後
石州和紙協同組合が設立され、

平成元年4月、
経済産業大臣より
「石州和紙」
伝統工芸品に指定されました。

凄いです・・
努力の賜物ですね。

そしてその後の2009年、
「石州半紙」が、
ユネスコ世界文化遺産登録という
快挙を成し遂げました。

この石州半紙、
原料は地元でとれる良質の
楮(こうぞ)という植物だけ
使っています。

えーここまで書いてみても

石州半紙と石州和紙???

ちょっとややこしい~!!

そうなんです、
似たような言葉というのもあって

かなりわかりにくいですよね。

少しわかりやすく
言い換えてみましょう。

石見地方で漉かれている
「石州和紙」

楮(こうぞ)だけでなく
三俣や雁皮という他の植物を使った

最高級の和紙も作られています。

色んな種類や用途・材質の和紙が
石州和紙で作られていて、

その石州和紙そのものが
国の伝統工芸に指定されました。

さらに石州和紙の中でも
楮(こうぞ)という植物だけを使った
「石州半紙」という和紙が

ユネスコ世界文化遺産に登録された
ということですね。

もっと簡単に言うと

石州和紙は
石見地方で漉かれる和紙全体を指し

石州半紙は
石州和紙の中の一つの商品
という

位置づけですね。

さて石見地方(島根県西部)では
日本の神楽のひとつ
石見神楽(いわみかぐら)
伝統芸能として受け継がれています。

この石見神楽の面づくりにも
石州和紙が使用されているんですね。

強靭で美しく光るような和紙で
実は我が家にも一枚だけあり・・

当然自慢しています!^^

石見神楽と石州和紙、
ともに長い歴史を歩んでいますね。

また有名な伝記として

その昔、
大阪の商人が石州半紙で作られた
帳簿を使っていました。

火事の時には、焼失から免れるために
急いで井戸の中に帳簿を放り込みました。

それほどこの楮(こうぞ)でできた
この紙は強靭だったのです。

石州和紙会館のホームページ

面白いです!

ユネスコ世界文化遺産登録の和紙 「細川紙」を簡単に

埼玉県比企郡小川町を流れる槻川、自然豊かで希少な水生生物が多く生息しているそうです。行ってみたい♪

埼玉県民の皆さん、ご安心ください。

九州ど田舎在住の私からすると
「だけど埼玉やっぱり都会!」

大都会のイメージですよ~。

とはいえ、伝統ある紙漉きは
水の奇麗な川で行われてきましたから

細川紙も当然
豊かな自然と一緒に歩んできたのは
言うまでもありません。

「細川紙」は、
埼玉県の小川町と東秩父村で伝承され
漉かれています。

さあ早速埼玉県の細川紙に
注目してみましょう。

「細川紙」の産地はどこ? 産地の特徴を簡単に

ちょっと見にくいですが、中央少し左に「小川町」「東秩父村」が並んでおります。

細川紙の産地は埼玉県です。

埼玉県比企郡小川町の西側
埼玉県秩父郡東秩父村の東側
接しており、

どちらも埼玉県の内陸に位置し
海はありません。

ちなみに東秩父村は埼玉県唯一の村。

村と言っても名称が残っているだけで
人口は2700人。

全国の村の数が183個で
村の人口が多い順にみると
東秩父村は84位。

村の規模としては平均に近いですね。

自然豊かな東秩父村ですから、
「村」のままでいてほしいと
思ってしまいますね。

小川町は人口約28000人、
お隣の東秩父村と力を合わせて
小川和紙の発展に尽力しています。

さて、小川町のもうひとつの顔。

1985年に設立された全国京都会議。

そこにに入会が認められたので
小川町は「小京都」と
うたってよいのです。

全国小京都一覧を見てみると
日本全国の小京都と呼ばれている所が
日本地図で表示されています。

全国各地に
38か所の小京都
があるのですね~。

さらに外国人観光客向けに
英語で書かれてあります。

知らなかった・・・
小京都の海外向けHPですね。

厳密には
全国京都会議に認められて
「小京都」と名乗ってよい
のですね。

自称ではなかったのだ・・・。

(確かに「小京都」って言われると
へ~行ってみたいなって
なりますよね。)

ということで堂々と
「武蔵小京都小川町」

素敵な響きですよ、これは!

「細川紙」とはどんな和紙? 和紙の特徴を簡単に

細川紙。これも美しさが伝わらない気がする・・他の和紙と比べるとシャリシャリ感ある~!!素敵すぎる~♪

ユネスコの世界文化遺産登録で
有名になった細川紙ですが、

細川紙ができる前から和紙作りが
盛んな町でした。

小川町と東秩父村周辺で漉かれる和紙
のことを小川和紙
と呼ばれ、

色々な用途の紙が漉かれています。

「細川紙」はその小川和紙の中の
代表的な手漉き和紙
で、

昭和53年に
国の重要無形文化財に指定
されました。

江戸時代、「小川和紙」は
和紙の一大産地に成長していき、

たとう紙(着物を包む紙)や
染色用の型紙紙、
古文書の修復用や壁紙・障子など、

様々な場面で大活躍しています。

楮(こうぞ)の白皮のみを使用
強靭な中にうっすら光る上品さが特徴
で人気の高い紙です。

「細川紙」という名前ですので
埼玉県小川町付近の地名と思いきや、

なんと和歌山県の地名から来ているそうです。

紀州高野山の細川村で漉かれていた
紙の技術が、

江戸中期頃に江戸に近い小川町周辺に
伝承されたのではないか・・

はたまた小川町で漉いた紙が
細川紙に似てるよねーみたいな流れ
からきたのではないか・・

そんなことが書いてありました。
(小川町HP)

↓細川紙の特集記事はこちら♪
さらに詳しい内容となっています。

ユネスコ世界文化遺産登録の和紙 「本美濃紙」を簡単に

「うだつ」が高いほど、富の象徴みたいな・・競っていたそうです。 岐阜県美濃市。うだつのあがる街並みが渋い!

ここはワタクシ、
実際に美濃市まで行って
美濃和紙の里会館を訪ねてきました。

実際に美濃和紙を手に取って見てきました。

私が老後の楽しみにとっていることが
和紙巡りの旅なのです。

これ、和紙の産地をめぐると言うことは
だいたい伝統文化も残されているんですよね。

歴史好きには一石二鳥です!

さあそれでは
美濃市の本美濃紙について
早速一緒に見ていきましょう♪

「本美濃紙」の産地はどこ? 産地の特徴を簡単に

岐阜県の地名、小さくてごめんなさい、実は岐阜県は歴史的文化がたくさん残っていてもっと深堀したいところ

本美濃紙の産地は
岐阜県美濃市
になります。

美濃市の人口は約2万人。

岐阜県の南東部に位置しており、
周囲を山岳地帯に囲まれています。

豊かな歴史と美しい自然環境が
特徴的な地域です。

木曽川水系で長良川に合流する
板取川沿いには、

和紙の歴史資料館で
手漉き和紙の体験もできる
『美濃和紙の里会館』があります。

他にも川沿いに和紙工房が軒を連ね、
なるほど、
水が奇麗なところならではの
和紙の発展。

山川の豊かな自然に心癒されます。

歴史的建造物も多く残る
うだつのあがる街並みでは
お祭りや和紙のイベントも盛んです。

歩くだけでもたっぷりと
情緒を味わうことができます。

また、美濃地方は
織田信長や徳川家康などの武将たちの
出身地でもあり、

戦国時代から江戸時代にかけての激動
の歴史を刻んできました。

これ、あらためて本当に
「激動だ~!!」って思います。

そんな歴史に翻弄されながらも
素晴らしい文化を残していますね。

「本美濃紙」とはどんな和紙? 和紙の特徴を簡単に

↑本美濃紙保存会名誉会長の澤村正さんの紙、90歳を過ぎてもなお現役!私が和紙を語っていいのでしょうか・・(汗)

「本美濃紙」は、2014年11月に
ユネスコ世界文化遺産に
登録されました。

岐阜県美濃市で生産される伝統的な
和紙です。

美濃市は、美しい自然環境と
伝統的な和紙の技術が息づく地域
として知られています。

本美濃紙の特徴は、その高品質と耐久性
にあります。

職人さんたちは、古くから伝わる伝統的な
製造方法で紙を漉いています。

本美濃紙は、薄くても強度があり、
しなやかで滑らかな質感が特徴です。

さまざまな用途に適しており、
絵画、書道、障子、奉書他、
伝統的な日本の文化や工芸品に広く
利用されています。

また、美濃紙は経年変化に対しても強く、
長い保存期間を持つ
ことでも評価されています。

美濃和紙の里会館に行くと
手漉き和紙の体験ができますし、

歴史的な資料館・展示室もありますので
ゆっくりと楽しむことができます。

是非行ってみてください♪

もちろん
ユネスコ世界文化遺産に登録されている
本美濃紙も販売されています

おわりに

↑美濃和紙の里会館で購入した本美濃紙の中に同封されていた。またゆっくりと訪ねたい。

今回はユネスコ世界文化遺産に登録された
3つの和紙
についてお伝えしました。

日本全国で漉かれている手漉き和紙ですが、

世界遺産に登録されていなくても

その美しさは健在で
各地域で昔ながらの技法で
素晴らしい紙が今日も漉かれています。

どこの手漉き和紙も本当に魅力的で

いつか全国各地を訪ねて
和紙の素晴らしさを
ご紹介できればと思います。(^^)/

世界遺産?文化遺産?何が違う?
もやっとしている方はこちら!
↓↓↓

世界遺産とは違う?日本の和紙【ユネスコ無形文化遺産登録】を簡潔に

ABOUT US
yuu
村上侑布 / yuu murakami ~ 福岡在住      美しい楮(こうぞ)の枝に魅せられた私は、ひょんなことから創作の世界へ身を置くことに。 それから試行錯誤の日々が始まり、手漉き和紙、木工、塗装、染色、電気など学んでみたものの『たった1台の灯りを作るのさえ、 ままならない・・!』 先が見えず焦燥感ばかり募る数年間を、悶々と過ごしてきました。 ようやく少しずつ形となってきて、 現在は、和紙の原料となる楮(こうぞ)の木を育てて収穫し、手漉き和紙と行灯を製作する傍ら、和紙ちぎり絵のワークショップを開催しています。 三大フェチである「路地裏・扉・階段」をモチーフに、店長・アレキサンダーとの工房暮らしを満喫中。