ども!ちぎりちぎり侑布です♪
和紙は植物の繊維を原料として作られています。
各地域で栽培されている植物を原料に
伝統的な技法を進化させながら
これまで大切に引き継がれてきました。
産地によって紙にも特徴があり、
今も尚、全国各地で
美しい紙が漉かれています。
原料となる植物の種類も多く、
楮(こうぞ)・三俣(みつまた)
雁皮(がんぴ)・麻(あさ)など
日本の代表的な植物で、繊維が長く
丈夫でよい紙を漉くことができます。
他にも竹や桑、布にも使われる芭蕉など
様々な植物の繊維が
和紙の原料の一部として活躍しています。
全国各地で作られている和紙は
産地によって
製法や材料はさまざま。
楮100%でできていたり、
楮の他にパルプや他の原料が
混ざっていたり
それぞれに特徴があります。
↓和紙・色和紙の概要はこちら
Contents
ちぎり絵に使われる和紙の種類と技法を知ろう!
ここではちぎり絵用の和紙について
写真と合わせてご紹介したいと思います。
使われる和紙にもいくつか種類があり
以下に紹介する和紙は
どれもちぎり絵に最適な紙です。
またちぎった時の断面図や
使い方の技法なども合わせて
簡単にご紹介いたしますね。
色和紙(無地)~ ちぎり絵用和紙の種類①
和紙を単色に色染めしたもの。
この単色和紙は、
豊富なカラーバリエーションがあり、
自分の作品に合った色を選ぶことができます。
ちぎり絵では、この色和紙を使って
ベースや背景を作ったり、
また例えば植物の花粉や実など
小さなパーツを作成するのにも適しています。
単色ではなく
2色以上の色を混ぜて染めたり
グラデーションの仕上がりだったりと
様々な染めの技術があり、
産地によって個性的で
美しい色和紙も見られます。
ちぎり絵にとても重宝する紙のひとつです。
和紙ならではの独特の柔らかな色調が美しく
紙をちぎると美しい毛羽立ちが見られます。
板締和紙(いたじめわし)~ ちぎり絵用和紙の種類②
和紙を縦横に小さく折っていき
2枚の板ではさんで
糸でぐるぐる巻きに縛ります。
(手順は工房によって様々です)
それを染色液につけて染めるため、
内側の方があまり染まらずに薄い色目に。
一方外側は色が直接つくため、
くっきりと染まり、最後に紙を広げると
奇麗な格子模様が出来上がります。
グラデーションも表現することができます。
紙を開いたときの模様の美しさや面白さで
夏休みなど子どもたちとの
ワークショップとしてもおススメです。
板締め和紙の色ムラになっている部分を
上手く使って
植物の茎を表現したりします。
この色ムラのおかげで立体感や
奥行が出てリアルな表現に近づくのです。
不思議ですよね。
雲竜紙(うんりゅうし)~ ちぎり絵用和紙の種類③
次は自信をもっておススメできる
美しい雲竜紙の色和紙。
楮の長い繊維を混ぜて漉いたもので
繊維が模様となって自然美を現します。
雲竜紙に少し水をつけて湿らせて
楮の繊維の端を引っ張ると
繊維だけスルスルと引き出すことができます。
植物の葉や野菜のヘタなどは
そうやって取り出した楮の繊維を使うと
本物のように表現することができます。
これはひとつの技法として
よく活用されています。
典具帖紙(てんぐじょうし)~ ちぎり絵用和紙の種類④
「土佐の典具帖紙」が有名ですが、
天女の羽衣のように(例えです!)
美しく薄く漉いたもの。
とても力業のいる
熟練の紙漉きの技術が必要です。
透け感が美しく、ベースの和紙の上に
典具帖紙を貼って濃淡を表現したり
重ねて貼ることで表現力が増し、
本物のような立体感を表すことができます。
また、この典具帖紙は手に触っているだけで
癒されるほどにとても美しいので
つい集めてしまいたくなるほどです。
これだけ透けているのに
しっかりと強さがあり
職人さんの腕に唸らされますね。
拡大してみても繊維が均一で
とても美しいです!
落水紙(らくすいし)~ ちぎり絵用和紙の種類⑤
紙を漉いた上から水滴を落として
網目のように模様をつけたもの。
こちらも遠景の草木を表現したり
ぼかしたりと表現力が増します。
シャワーヘッドやホースを使いますが
落ちてくる水滴の量や大きさで
色々な落水紙の模様ができます。
もみ染め和紙(もみぞめ)~ ちぎり絵用和紙の種類⑥
無地で無着色の和紙を
くしゃくしゃと手で揉むように丸めてから
染粉(染料)につけていきます。
それを破れないようにそっと広げて
干して乾けば
もみ染め和紙の出来上がり。(簡単に言えば!)
この時2色以上使っても
面白い染め和紙が出来上がります。
派手で奇抜な柄に見えますが
植物や果物・野菜の表現にとても合い
なかなか使える和紙です。
とくに赤色に黄色が混ざっていると
熟した果物や花びらの表現がしやすいですね。
また緑色のもみ染め和紙は
葉っぱに使うと
葉脈に見えて本物のような
リアルさを表現することができます。
おわりに
いかがでしたか。
ちぎり絵として活躍する和紙の種類を
見てきました。
一般的には
ちぎり絵に適した「ちぎり絵用和紙」が
販売されています。
ちぎりやすいように薄く漉かれ
毛羽たちも美しく
工夫を凝らして作られた紙で
ネットショップでも
簡単に購入することができます。
また全国各地の特徴のある和紙を使うのも
大変趣があります。
是非和紙を手に取って
美しさや素晴らしさを感じ取ってください。
和紙の魅力を共有していただけると
大変嬉しいです!