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はじめに
ようこそ!
和紙ちぎり絵の世界へ!
ここでは、和紙を使って、
初めてちぎり絵を制作するにあたっての
【概要と必要な道具】と材料について
まとめてみました。
初めてでまだわからないかもしれませんが、
慣れてくると道具も材料も自分で工夫できていきます。
まずは「和紙」を使ってのちぎり絵について
基本的なことを押さえておきましょう!
はじめての和紙ちぎり絵 和紙の特徴について知ろう
ちぎり絵を制作する際に欠かせないのが和紙です。
和紙は植物繊維から作られた紙で、
薄くて丈夫なため、
美しい模様や質感を表現するのに適しています。
まず、一般的な和紙の種類について
早速素材の面から見ていきましょう。
和紙には、「楮紙(こうぞがみ)」
「三椏紙(みつまたがみ)」
「雁皮紙(がんぴし)」をはじめ、
麻や竹他、様々な植物で作られる
多種多様な紙が存在します。
楮紙は、日本で最もよく使われる
和紙の一つです。
楮という樹木の繊維を原料とし、
細かい繊維を織り込んで作られています。
和紙の中でも特に強度があり、
薄くて柔らかいので、
ちぎり絵制作にとても適しています。
昔は全国的に楮の栽培が盛んで
品質のよい楮紙が巷に溢れていました。
今でも伝統的な技法を用いて
全国各地で漉かれている
日本古来から存在する紙、
これらを総称して和紙と呼んでいますが、
この和紙には独特の質感や風合いがあり
和紙なくしては、
ちぎり絵は語れないほどです。
和紙の世界は造詣が深く
かなり専門的な世界になります。
職人さんが一枚一枚漉き上げる
高価で高品質の手漉き和紙や
安価に手に入る機械漉き和紙など、
品質も価格も様々です。
和紙に関しては
「100円ショップにあった」
という話を聞くことがありますが、
和紙風の紙は置いてあっても
本当の和紙(特に手漉き和紙)を
100円ショップで売っているのを
私はまだ見たことがありません。
原料や製法を知ると
手漉き和紙はもちろん
機械漉きの和紙も
安く作るのは難しいからです。
個性あふれる職人さんの手漉き和紙は
様々な種類があり、
今の時代はインターネットで
簡単に購入することができます。
「ちぎり絵 和紙」
で検索してみてくださいね♪
ちぎり絵に慣れてきて
素材からこだわってみたい時などは
是非、日本の伝統工芸である
和紙を深堀してみてください。
これを機に和紙の世界へと
引き込まれていくかもしれません。
②和紙の色や柄の使い方のコツとは?
ちぎり絵の魅力は、
和紙の色や柄を使い、
自由自在に表現できることです。
和紙には、
さまざまな色や柄があり、
それらを上手に使うことで、
より魅力的な作品を
制作することができます。
まずは、
和紙の色について見ていきましょう。
和紙の色は、日本風で柔らかな
豊富な色彩が特徴です。
どの色を使うかは、
作品の雰囲気や表現したいイメージに
合わせて選ぶことが大切です。
例えば、落ち着いた雰囲気の作品には、
ベージュやグレーなどの優しい色を基調に・・
また、明るいイメージの作品には、
赤や黄色などの鮮やかな色を使って、
ポップな印象を出すことができます。
といっても最初はそんなに難しく考えず
絵を描くときと同じように
見たままの色を選んで問題ありません。
和紙の色合わせを楽しんでいただくことが
とても大事ですね。
次に、
和紙の柄について見ていきましょう。
ここでいう柄とは
和紙の色染めも含めて説明していきます。
色染めとは
無地の和紙をカラフルに着色することです。
和紙には、さまざまな染めの技法があり
それによってさまざまな文様や柄が作られます。
例えば、グラデーションに染められた和紙や
板染めといって格子模様に染められた和紙、
また、雲竜紙といって、
楮の繊維をそのまま活かした
雲竜模様の柄など
独特の技法があります。
どれもとても美しく
ちぎり絵の制作中は
この様々な美しい和紙に癒されるのも
大きな魅力のひとつです。
グラデーションの和紙を使うことで
日の出や日没の空を表現出来たり
果物の熟している様を表現することが
可能なのです。
また板染め和紙を使うと
モチーフである植物の節や蔦を
表現することができます。
楮の繊維は長くて丈夫なため
雲竜紙から楮の繊維だけを引き抜いて
形を整えて貼り付けることで
野菜のヘタがそっくりに表現できたりします。
こういった様々な色や柄の和紙を
ちぎっては貼り、ちぎっては貼り・・
といった作業を繰り返し、
素晴らしい作品が完成していきます。
自分のセンスに合わせて、
色や柄を使いこなし、
素敵な作品つくりに挑戦してみましょう!
③ちぎり絵に”和紙”がとても適しているワケ
まずは和紙を手に取ってちぎってみましょう!
ハサミやカッターは使わずに
両手の指でそっと引きちぎる感じです。
そのちぎった形状はどうでしょうか?
少し毛羽立ちがあり、
切り口にはふわふわと柔らかい
繊維が現れますね。
この和紙の毛羽立ちを
『ケバ』と呼んでいます。
この毛羽立ちを活かすことが
和紙ちぎり絵の最大の特徴となります。
柔らかでしかも丈夫な繊維質の和紙は
指でちぎりやすく、
そのちぎった部分の綺麗な毛羽立ちが
和紙がちぎり絵にとても適していると
言えるところでしょう。
和紙は、その素材や製法の違いによって
強度や厚みが異なります。
ちぎり絵を制作する際には、
この和紙の強度や厚みを
考慮するとよいでしょう。
強度の弱い和紙を使用する場合、
細かくちぎりすぎると
破れてしまう可能性があります。
そのため、
ちぎる大きさを大きめに取ったり、
和紙を二重に貼り合わせるなどの
工夫を凝らすこともあります。
和紙の強度や厚み、色や柄を理解し、
上手に活用することで、
より美しいちぎり絵を制作することができます。
ちぎり絵に挑戦する際には、
和紙の特性を把握し、
工夫して制作してみてください。
これから様々な種類の和紙を扱っていくことで
その感覚もわかるようになってきますから
必要以上に心配しなくても大丈夫です!
初めての和紙ちぎり絵 必要な基本的な道具とは?
①カッターやはさみなどの刃物は必要?
ちぎり絵を制作するためには、
和紙を指でちぎるだけでなく、
形を整えるために道具を使うことがあります。
使用頻度は少ないですが、
まずはさみです。
はさみは、
和紙を切りたい場合には便利な道具で、
特に、植物の茎など細いラインを
表現するときに使うことが時々あります。
はさみを使うことで
ケバを出さずに
くっきりとした輪郭を表現できます。
ただし、
和紙は切りにくい素材であるため、
よく切れるはさみを一本、
ちぎり絵専用にしておきたいですね。
のりがついてしまった場合は
すぐにふき取り、
切れ味の良さを保ちましょう。
またカッターナイフは
あると便利ですが、
無くても大丈夫です。
ちぎり絵の製作というよりは、
台紙や下絵の準備段階で使う道具です。
例えば、
台紙の大きさに下絵の大きさを
合わせて切る時や
台紙そのものを作る時など。
カッターもはさみ同様、
汚れたらすぐにふき取り
切れ味の良さを保ちましょう。
②筆やのりなどの作業道具の選び方と使い方
ちぎり絵制作に必要な道具は
とてもシンプル。
おまけに安価で身近にあるものが多く
取り組みやすいといった利点があります。
早速、和紙やカッティングツール以外の
役に立つ作業道具を見ていきましょう。
〇筆(小筆)
作業には欠かせない道具のひとつです。
ちぎった和紙を台紙に張る時に
のりをつける作業に筆を使います。
購入するなら、
書道で使う小筆の大きさのものがおすすめ。
細かいところの糊付けもできますし、
何より毛先が柔らかく、
台紙や和紙に対してやさしいからです。
大きな筆は小さくちぎった和紙を貼るには
あまり適しません。
筆は糊をつけるときのための道具ですから
最初は一本あれば十分です。
また家に絵の具の筆や刷毛しかない場合、
十分代用できますのでやってみて下さい。
ただし、硬い毛だと和紙には強すぎて
破れてしまうことがありますので注意!
〇のり
のりは昔ながらのでんぷんのり。
小学校の工作の時間に使っていたもので
懐かしいですよね。
蓋つきのカップにはいったものもありますが、
チューブのりが使いやすいです。
のりは水で薄めてから使います。
〇ピンセット
細かくちぎった和紙ひとつひとつを
指でつまむのは一苦労。
こんな時はピンセットがとても役に立ちます。
〇鉄筆
細く尖った先が鉄製のもので
鉛筆のように手に持って使います。
この硬いペン先で和紙の図案をなぞり
和紙をちぎりやすくするためですが、
鉄筆には色々な種類があります。
トレースペンという名前の商品でも大丈夫。
また、インクの出なくなったボールペンや
芯の出ていないシャープペンシルで
代用することもできます。
ただし、
和紙が破れたり傷がついたりしますので
取り扱いの際は気をつけて下さい。
トレースペンは、
一本あるとけっこう便利かも!
〇チャコペーパー
下絵を台紙に写しとる時に
チャコペーパーがあると便利です。
カーボン紙をご存じですか?
チャコペーパーもカーボン紙のように
上から描いたものを下に写せるという
便利なアイテムです。
洋裁で型紙を布地に写すときなど
よく使われていますね。
チャコペーパーの線は
水に濡れると消えてしまうという
優れモノなのです!
(消えるものと消えないものがあります。)
〇鉛筆や定規など
下絵の制作で使います。
〇トレーシングペーパー
今やダイソーでも
当たり前に売られています。
これは下絵を写しとるのに
とても便利です。
家にトレーシングペーパーが無い時。
キッチンペーパーでも大丈夫!
しっかりと透けて
下絵を写すことができますよ~♪
(下絵の特集で解説しますね!)
〇台紙
ちぎり絵を貼っていく台紙のこと。
ポストカードだったり
ハガキだったり
色紙だったり
ちぎり絵用の無地のうちわも
売っています。
目的にあった台紙を
用意しましょう。
おわりに
ここまでざっくりと
材料や道具の説明をしてきました。
最初は家にあるものや
安価なのもので十分です。
さあ和紙や道具の準備ができたら
次は下絵に進みましょう♪
自分で下絵を描いてもいいですし
インターネット上には
無料の下絵がいくつもあります。
どういったものを描きたいか
まずは少し考えてみましょう。
↓下絵のヒントはこちらにも。
大人のためのモチーフ選びについて
まとめてみました。↓↓↓